小型鳥9羽準レスキュー

◆実施日:2023年6月28日

 

◆場所:千葉県市川市

 

◆鳥種と羽数:カナリア3羽

       セキセイインコ1羽

       コザクラインコ1羽

       ボタンインコ2羽

                           オカメインコ2羽

       

◆理由:飼い主様のご入院により

 



◆経緯

・2023年 6月中旬

ご高齢の女性からのご相談がありました。

ご自身が7月に入院することが決まりお世話を引き継ぐ人がいない、入院までに鳥を手放せなければ鳥たちをご自宅に残すしかないとお話しされていました。飼い主様の入院日が近く緊急性の高いレスキューでした。

 

ご依頼いただいた鳥たちは、2年前に他界された旦那様が全てのお世話をされていました。

そのため、飼い主様は鳥たちの詳細な情報はご存じないようでした。

また、ケージで飼育されているカナリア3羽以外の鳥は放し飼いにしているため、正確な羽数・種類がわからないとおっしゃっていました。

旦那様が亡くなり、飼い主様が引き継いだ後はご自身の体調が悪いこともあり、餌・水の交換が週に2回、掃除もほとんどできていないとのことでした。鳥たちの生活環境はあまり良くないのだなと想像しました。

 

・6月28日

捕獲用の網やキャリーを持ち、レスキューに向かいました。

お電話でお聞きした情報から室内で放し飼いにされていて、タンスなどの隙間に鳥たちが隠れているような状態を想像していました。

 

しかし、現場に到着するとご自宅のお庭に案内され、鳥たちは屋外の鳥小屋で暮らしていました。現場付近に到着した際に鳥の鳴き声がまったく聞こえなかったので、屋外で飼育されていることを知り驚きました。鳥小屋には電気が通っておらず、照明・冷暖房はありません。

この日は蒸し暑い日で、到着した9時半頃には既に何羽か開口呼吸をし脇を広げ暑がっている様子でした。

セキセイ・コザクラ・ボタン・オカメインコが放し飼い、カナリア3羽が1羽ずつケージ飼いの状態でした。お世話が行き届いておらず水は干上がりかけ、シードの皮は放置、便や羽毛が至る所に山積していました。

 

事前に飼い主様から、ご主人が亡くなってから鳥は増えていない(繁殖していない)とお聞きしていました。多羽を放し飼いにしているご家庭では人が知らない間に繁殖していることもあるので、何羽かは繁殖した鳥たちなのではないかと考えていました。しかし、現場の状況を見て、あまりにも過酷な環境であったため、繁殖できなかったのではないかと思いました。

 


◆現場の様子


放し飼いになっている鳥たちのスペースです。3畳ほどのスペースで暮らしていました。止まり木や大きいステップ・食器が複数設置しており、かつては沢山の鳥たちが暮らしていたんだろうなと思いました。

 


1羽ずつのケージに分かれていたカナリアたちのスペース。日当たり・風通しの良くない環境でした。ケージは劣化が激しく掃除が行き届いていない状態で、各ケージに設置された巣皿の中は便が山積みになっていました。


◆レスキュー後の鳥の様子

体重70gを超える肥満体型のコザクラインコや、極度に肉付きが悪いカナリア(2羽)など栄養・健康状態は鳥によって様々です。削痩のカナリアはレスキュー直後からプラケースにて看護を始めました。

また、全羽人に慣れておらず近くを通るだけでもバタバタしてしまうような状態です。

 

残念ながら施設到着後にセキセイインコ1羽、レスキューの翌日にコザクラインコ1羽・ボタンインコ1羽が亡くなってしまいました。放し飼いにされていた3羽でしたが解剖の結果、死因には肥満が大きく関係していました。

削痩のカナリア2羽は看護を続けましたが、回復することなく亡くなってしまいました。


     上)レモンマートル       下)バンクシア@オカメインコ
     上)レモンマートル       下)バンクシア@オカメインコ
ブルボス@ボタンインコ
ブルボス@ボタンインコ
グラン@カナリア
グラン@カナリア

今回レスキューした鳥たちは、植物や島名などそれぞれの原産地にちなんだ名前をつけました。


◆今回の準レスキューを通して

同居されているご家族がいらっしゃる場合でもお世話は特定の方のみ、又はお1人で全て担っているというご家庭もあるかと思います。万一の事が起きてしまった際に愛鳥さん、愛鳥さんを託す人・託される人が安心できるようにご家族に愛鳥さんについて情報を共有していただけると嬉しいです。 

 

事前に愛鳥さんの情報を引き継いでいたとしても、今回のケースのように引き継ぎ手が思うようなお世話ができない状況にある場合もありますし、動物にあまり興味のない方も中にはいらっしゃいます。

「終生飼養」と聞くと自分自身で、あるいは身内で何とかお世話をし続けなければならないというイメージが先行しがちです。本来の意味で終生飼養とは、その動物が最期まで幸せに暮らせるよう責任を持ってお世話をし、どうしても難しい場合は愛情をもって接してくれる方へ繋げることだと思います。

鳥達のお世話を、孤独の中で抱え込んでいる人がいるのであればまずは誰かに相談して欲しいです。

それが、TSUBASAであってもご友人であっても新しい道が開けるかもしれません。

 

今回のケースを通して、

愛鳥さんをご家族に託すことでご家族、あるいは愛鳥さんの負担になってしまうようであれば、

TSUBASAのような保護団体に相談・手放しを依頼することも1つの選択だと思いました。

レスキュー後、わずかな時間しかお世話をしてあげられなかった鳥達がいる事をとても残念に思います。

 

※TSUBASAにおける準レスキューの定義

一般家庭からのやむを得ない事情での鳥の譲り受けを「お引き取り」

劣悪環境や遺棄、飼い主様の緊急入院などの緊急性のある、飼い主様からお世話代を頂けない譲り受けを「レスキュー」と呼び分けています。

今回のケースは飼い主様からお世話代の一部を頂いたため「準レスキュー」としています。