TSUBASA(読み方:ツバサ)とは
「The Society for Unity with Birds - Adoption and Sanctuary in Asia」
(=鳥と調和のとれる社会 - アジアの里親とサンクチュアリ)の略です。
様々な理由から飼い主さんと一緒に暮らすことができなくなったインコ・オウム・フィンチを保護し、新たな里親さんを探す活動を行っています。
飼い主さんと愛鳥さんが終生、幸せに健康に暮らしてもらうために、飼い鳥の適正な飼養に関する情報の提供、学びの場を日本全国で展開しています。
「人・鳥・社会の幸せのために」
「幸せ」とは、それぞれで価値観が異なります。
わたしたちが目指す「幸せ」とは何かを、鳥さんを中心において考えた時、この三者にたどり着きました。
TSUBASAは、やむを得ない事情で一緒に暮らし続けることができなくなったインコ・オウム・フィンチを引き取り、新しい家族を探す活動を行っています。
しかし、私たちの一番の願いは、飼い主さんと鳥さんが、終生、手放されることなく幸せに暮らし続けてくれることです。
「人」「鳥」「社会」このどれか一つが欠けても、私たちの活動は成り立ちません。
愛鳥家の皆さまに向けて発信したことが、その方と暮らす鳥さんのためになることを願っています。
社会のための啓発活動が、新しい愛鳥家さんを作るきっかけになれば嬉しいです。
ご自身の鳥さんを守って幸せにできるのは、人、つまり飼い主さんしかいません。
鳥さんが健康で幸せであれば、飼い主さんも同じ気持ちでいられるのではないでしょうか。
わたしたちは、人と鳥は「対等」であると主張してまいりました。
どちらか一方が我慢した生活を送っては、「対等」とはいえません。
鳥さんと対等に付き合うにはどうやったらいいのか、鳥さんがいつまでも健康に暮らしてもらうために適正な飼養環境とは何か、をテーマにして、飼い主さんの知識の底上げを目指し、情報を共有し、定期的に勉強の場を提供しています。北は北海道から西は福岡まで、様々な場所で愛鳥塾やシンポジウムを開催しています。
これらイベントは、単なる勉強のみを目的としたものではありません。愛鳥家さん同士が集い、鳥さん仲間を作っていただくことも大きな目的です。
一人で悩んだりせず、相談ができる鳥さん仲間の存在は大きなものとなるはずです。
鳥さんが鳥らしく、鳥として、いつまでも健康でいてくれるためには何をしてあげられるのでしょうか。
これは永遠のテーマだと感じています。食餌に関しては、インコ・オウム類の適切な栄養についてはまだまだ研究や調査が必要な分野とされています。
鳥の生活の質を高めるためには、エンリッチメントやフォージングも必要です。
鳥は頭がいい生き物です。それゆえに、食餌環境や人を含む生活環境によって大きく影響されてしまいます。
しばしば問題行動として飼い主さんの頭を悩ませている、咬み付きや呼び鳴きも、実は後天的な学習行動だといわれています。
楽しいことが大好きな鳥さんの性格を活かした、「褒めて」望ましい行動を伸ばし、望ましくない行動の出現を消去していくPositive Reinforcement(正の強化:ポジティブレインフォースメント)を用いたトレーニングをTSUBASAでは推奨しています。
一緒に暮らしていくためには、鳥さんの方にもルールを覚えてもらうことが大切です。
いざという時のために備えて、狭いキャリーに入ったり、タオルでくるまれたり、毎日の健康管理に役立つトレーニング法もあります。
普段から、遊びを通じてこれらのトレーニングを行うことは、鳥さんの知的好奇心を刺激し、飼い主さん側は改めて鳥さんの知能の高さに驚くと発見を感じずにはいられないでしょう。
鳥らしく、鳥として、生活や遊び、そして食餌について、共に知恵を絞って考えていくことを目指しています。
飼い鳥の愛鳥家さんは、ご近所でも鳥さん博士として頼りにされることもあるでしょう。
鳥さん仲間との交流も大切ですが、ご近所を含む社会全体との交流も、とても大切なものだと痛感しています。
社会全体が正しい知識を身に付けておけば、もしもの時には連携がとれると信じています。
個人では不可能だと思われることも、そしてたとえ最初は小さな個の単位だったとしても、少しずつ力を併せていくことで集合体となり、将来的には社会全体がもっと動物愛護に関心を持つようになり、動物を取り巻く環境や法律なども変えていけるだけの力になるのではないかと信じています。
販売の段階から、環境が鳥達にとって適切でない場合もあります。残念ながら、劣悪なモラルの欠けるペットショップはまだまだ全国に存在します。
そうした、ペットショップで販売されている鳥達は当然正しい説明をされずに、売られていきます。
ペットショップの取り締まりは、鳥を取り巻く社会にとってなくてはならないものです。
私達は、今後広い情報発信によりそうしたペットショップに対し、異を唱える事ができるような社会作りに貢献していきたいと考えています。
ペットと暮らす人は年々増加の一途をたどっており、その中でもインコ・オウムなどの鳥と暮らす人は、10年前と比べると3倍にもなります。
犬や猫に比べると飼いやすいという誤った認識から鳥を飼う人もいるようです。
よく知らずに鳥を飼うことになって、そこで初めて直面する事実に驚かれる人も少なくありません。
その事実とは
1.鳥の寿命は小型だと10年ほど、中型・大型になると20年~50年以上にも及ぶ
2.知能の高さゆえに起こる咬みつきや呼び鳴きなどの問題行動
3.犬のしつけとは全く異なり、適切な方法を知らなければ効果は期待できない
4.鳥を専門に診ることができる病院が犬猫に比べると少ない
以上主に4点が挙げられます。
上記に加えて、鳥は寿命が長いがため、鳥と一緒に暮らす過程で、仕事や家庭などの飼い主側の事情も 変わっていくことは珍しくないでしょう。
それでは、飼い主による様々な事情で暮らすことができなく なった鳥たちはどこへ行けばいいのでしょうか。
相談をしたり、引き取ってくれる人や場所もなかったら、手に負えなくなった鳥を野に放ってしまう人もいるかも知れません。
飼育下の鳥は、自然界では生きていくことは困難です。
その一方で現在、日本の鳥ではない飼い鳥が一部、野生化し帰化してしまっている姿が報告されている地域もあり、生態系を崩す原因の一つとなっています。
わたしたちTSUBASAは、上記の事柄に対して相談にのり、解決策を提案し、止むに止まれない事情の場合は鳥たちを引き取り、新たな家族を探す活動を10年以上に渡り行ってまいりました。
そして、上記1~4の誤った認識を解くためにも、まず知るという知識の底上げを図るために、教育啓発活動に力を入れ、飼い鳥の適正飼養や鳥との関わり方、医学面に関する様々な学びの場を提供しており、これからもより一層力を入れていきたいと考えています。
さらには、動物を守るための法律の在り方も見直す必要があると痛感しています。
コンパニオンアニマルと呼ばれる伴侶動物を守るための法律は、欧米に比べると日本は後進国であることは否めません。
飼い主同士の個々のつながりを、鳥という素晴らしい生き物を通じてより広めて、互いを助け合っていける集合体にし、さらには社会全体が動物愛護に目を向ける一助となるよう、鳥と暮らしている人はもちろんのこと、お子様からお年寄りまでの不特定かつ多数の方々に対して、今後も啓発活動・情操教育に関する事業に取り組んでまいりたいと考えています。