東京小型鳥8羽のレスキュー

◆実施日:2025年8月8日

 

◆場所:東京都

 

◆鳥種と羽数:

アキクサインコ1羽

羽衣セキセイインコ1羽

カナリア3羽

コキンチョウ1羽

コモンチョウ1羽

キンカチョウ1羽       

※コキンチョウの引き受けについては、環境省に相談済み

 

◆理由:飼い主様のご都合により



◆経緯

・2025年7月

東京の警察署から5羽の引き取りの相談がありました。ご事情により飼い主様がご自宅に戻ることが難しく、継続的なお世話が困難な状況でした。

また、ご相談をいただいた当日内に鳥たちの行き先の目途が立たなければ、警察で引き受けることはできないため鳥たちは飼い主様のご自宅に置き去りにするしかないとのことでした。

鳥たちの命にかかわる緊急性が高い案件と判断しレスキューすることになりました。

 TSUBASAでは引き受ける鳥の健康状態を把握するため、また、既住の鳥たちやお世話をする人を感染症から守るために飼い主様に事前の感染症検査(クラミジア・PBFD・BFD)と健康診断をお願いしています。

ご相談いただいた鳥たちは感染症検査未実施のため、即日のお引き受けが難しい状況でした。(★)

 そのため、こちらで検査を代行するために検体採取にすぐ向かい、検査結果がでるまでの期間のお世話を警察署にご相談させていただき、了解をしていただきました。

ケージのお掃除がしばらくできていなかったようで、鳥たちのケージは糞が山積みになっており、糞やつぼ巣の中からハエがわいていました。

飼い主様と直接お話することができなかったため、鳥たちの年齢など詳細な情報は分かっていませんが、フィンチたちはハバキが進んでおり若くはないのだろうなと思います。


◆警察署から施設へ移動

 ・8月8日 引き受け

全羽の感染症3項目の検査結果が陰性であることが確認できたため、警察署の方にとり村施設へと鳥たちを連れてきていただきました。

残念ながら施設へ移動する数日前に、キンカチョウ1羽が亡くなってしまいました。移動や生活環境の大きな変化に耐えられなかったのではないかと思います。


◆レスキュー後の様子

イリス@羽衣セキセイインコの食欲が芳しくなく、嘔吐の症状がでることもあり、現在はプラスチックケースにて看護を行っています。

イリスからはマクロラブダスが検出されたため、抗真菌薬で投薬治療を行っています。

(同郷の6羽についても予防目的で投薬)




お掃除ができていない状況であったことから、飼い主様はお世話にあまり時間をかけられていなかったのではないかと想像します。

人との関わりが希薄であったためか、レスキュー直後は人の動きに敏感で距離感を感じる子たちでしたが、次第に止まり木に落ち着いて止まれるようになってきました。

 

今回は施設に受け入れるまでの間、一時的に警察署にてお預かりいただくという珍しいケースでした。

ご対応いただいた警察署も鳥類が飼い主様宅に残されている、また里親や受入れ先の施設が見つかるまでの期間、署内で預かるのは初めてだったようです。

そのため、ケージを外の扉に繋がる空間に設置しないこと、検査結果がでていないためお世話の際はマスク・ゴム手袋を着用して感染症対策を行っていただくようお願いしました。

飼育のご経験がない職員の方がほとんどでしたが、不慣れな中お世話をしてくださりありがとうございました。

 

このようなケースが二度と起こらないことがベストではありますが、飼い主様の万一の際に真っ先に介入する可能性の高い職種の方(行政・福祉・警察など)に「まずはTSUBASAに相談してみる」という選択肢を持っていただけるよう、広く情報発信をしていきたいです。

 

 

 

★今回のレスキューでは、飼い主様からお引取りに必要な費用を一切いただいておりません。
このような場合、すべての費用をTSUBASAが負担することになります。
今回のレスキューについては、感染症検査には、JAC環境動物保護財団様からの助成金を充当させていただきました。